2010年2月10日水曜日

篠竹の米研ぎ笊(宮城県)


冬場、何が厭って米を研ぐのが厭で厭で仕方がありませんでした。
冷水で指先はかじかむわ、時々米は流れ出るわ、それにどこまで研ぐべきなのかもイマイチよく分からない。まぁ技量が足りないというのもあるのでしょうが、これを人に云うと、無洗米にしたらとか、水に触れずに米が研げるアイデアグッズも出てるよとか、いろいろ云ってくれるのですが、そこは偏屈なもので、便利ならいいというものでもないのです。

やらなきゃならないのは仕方ないにしても、どうにか愉しくできないものか。

そんなときに出合ったのがこの「米研ぎ笊(ざる)」。
目の細かいざるなので、米は受け止めたまま、研いだそばから濁った水だけがどんどん流れていきます。一度洗い流した糠を米が再び吸う心配もなく、金属のざるのように米を傷めることもありません。

軽くて程よくしなるので、吸水のために他の容器や土鍋に移すのも楽なうえ、洗って立てかけておけば割合すぐに乾くのもありがたい。これのお陰で、どんなに米研ぎに対する気持ちが楽になったか知れません。

2010年2月4日木曜日

別府竹細工の屑籠(大分県)


竹細工の町・別府でみつけた竹の屑籠。工藝品は高価だと身構えて、買うつもりじゃなかったのに、清水の舞台から飛び降りてしまいました。縁巻きの緻密さ、軽くつるつるした感触。竹のみで仕上げられたその佇まいの美しさには、ただただ感服。

2010年2月1日月曜日

湯町窯・エッグベーカー(島根県)


日本民藝館でこれに一目惚れしたのが、思えばすべての始まりでした。
日本のものらしくない配色、ぺろっと出た持ち手がなんとも云えず愛くるしく、初めて見るエッグベーカーというものを、訝しみながらもドキドキして眺めたものでした。

これが実際に我が家にやってきたのは、それからしばらくしてからのこと。念願叶って島根は湯町窯を訪ねた折に求めたものです。

エッグベーカーで作る卵焼きは、味もさることながら、何と云っても気分が違うのです。火から下ろし、食卓に持ってきて蓋を取るときのあの何とも云えない心持ち。卵を食べる、ただそれだけのことを、こんなに幸せに感じさせてくれる道具を私は他に知りません。