2010年12月18日土曜日

倉敷緞通の玄関マット(岡山県)


玄関マットはもともと室内でも靴で過ごす欧米のもので、外から帰ってきたときの泥落としがその目的、と聞いたことがあります。

我が家は昔ながらの狭小な家らしく、手洗は玄関の脇。狭いので、どこから入ろうとしても必ず上がり框を通るような間取りです。
転居してきて最初の冬、夜中に手洗に立つ相方が上がり框を通るとき、足の裏が冷たいと云い出しました。ただでさえ寒い旧い家。それで足が冷えて眠れなくなってはいけないと、倉敷緞通の玄関マットを敷くことにしました。

暖かくなったら仕舞おうと思っていたところ、これが夏になっても具合がいいのです。
毛足が短く、さらっとした質感は冬の床の冷たさを遮りながら、夏でも暑苦しくない。
表面は麻レーヨンの混紡糸、裏面は倉敷名産の藺草に和紙を巻いたもの。表面のデザインは芹沢銈(けい)介氏によるものです。80年代に一時途絶えましたが、90年代に再興し、今ではたったひとりの職人さんが全行程を手作業で織り上げているということです。

通年使ってすっかり気に入り、二度目の冬は板の間用に一畳の緞通を注文しました。インテリアショップのラグと大差ない価格なのに、軽くて扱い易く、出来上がりを今から愉しみにしています。

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